情報通信産業は、21世紀の基幹産業として今まさに羽ばたこうとしています。インターネットやモバイルフォンに代表される新しい通信手段は、我々の時間と空間を克服しようとしています。
一部関係者だけが情報を牛耳っていた時代は過ぎ去り、現在では誰もが情報発信することができ、誰もが世界のあらゆる情報にアクセスできるようになりました。言い換えれば今まで我々は、情報をマスコミという手段で一方的に受け取ってきただけですが、今後は、我々自身も情報発信者となり相互に影響を与え合う、そんなより高度な知的社会を迎えたのだといえるでしょう。ユビキタス社会と言われる由縁でもあります。だからこそ、高度な情報通信技術を製造者や情報提供者のためだけではなく、我々の社会を豊かにするツールとして利用し、あくまで我々ユーザの立場に立った技術開発や普及啓蒙活動をしてゆくことが必要ではないでしょうか。
こうした背景から、特定非営利活動法人 高度情報通信推進協議会を特定非営利活動法人(NPO)として2004年1月に設立(内閣府認可)し、情報通信技術とは「すべての人々の心を豊かにするための手段」であることを認識し、活動を進めてゆくことにいたしました。そこでこの機会に「自由」「自立」「水平横断」という3つのキーワードを提案したいと思います。NPOの活動は、権威や過去にとらわれない自由さが必要であり、利害を超えた自立意識が重要だと思います。さらにユーザの立場に軸足を置くためには、情報通信技術を業界、学会、官界を横断的に俯瞰することが必要です。
このような精神を大事にしつつ、具体的な活動を進めたいと念じています。ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。情報通信配線技術フォーラムに寄せて
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