iNIP活用事例
iNIP取得者インタビュー
東京都北区
(有)鈴保電設
代表取締役 鈴木雅晴様
ネットワーク施工と電気工事をつなげるワンストップインストレーションにて大手ホテルチェーンをはじめ多くの成功実績を収める。その実績により全社員にiNIP認定取得を勧めている。
■はじめに現在のお仕事の様子を教えてください。
当社は電気工事から始まった会社で、私で二代目です。創業が昭和36年で設立が昭和50年です。当初は電気工事主体で通信工事にかかわる部分はほとんどやっておらず、ホテルの映像配信設備を多く行っていました。ホテル業界では10年ほど前から客室でのゲーム、オーダリング、映像配信などマルチメディアが積極的に導入され、それらの施工に携わっていくうちに、ネットワーク施工の仕事を本格的に受注するようになりました。現在の仕事は、電気工事が3〜4割、ネットワーク施工が3〜4割、残りがホテルでの映像配信に関するものです。受注の成長が著しいのはやはりネットワーク施工ですね。
■御社の特長はどういったものでしょうか?
電気工事をやっているのでネットワークと電源工事の両方ができることです。さらに、そのほかの工事も一度に受注できることもあります。ある大手文具メーカーなどは、オフィス内のLAN工事をやりながらウォシュレットの取り付けをやったりしたこともありました。お客様に重宝に使っていただいている感じです。
iNIP取得により信頼の証を手に入れる
■iNIPを取得しようと思ったきっかけをお聞かせください。
施工技術における信用も無いとなかなか良い仕事を受注できません。そこで、お客様に安心して発注いただけるよう、技能・技術に対する信頼の証明としてiNIPをとろうと思いたちました。
■何か具体的な出来事があれば教えてください。
信頼性の証明といえば、例えばこんな事例があります。あるホテルチェーンで、建築工事の真最中に、ネットワーク施工をどうするか未定になっていた案件がありました。そのタイミングで営業をすると、ぜひ話を聞きたいということになり、見事当社で受注できたのです。自分達のような小規模業者は、話を聞いていただいても最終的には大手に発注されてしまうかな、と少し思っていたのですが。
■それまでにも同じような施工の実績はあったのですか?
ある程度はありましたが、そのホテルチェーンのような大手クライアントは、価格と安全性をとても重視していて、iNIP資格取得者の自分たちに発注してくれたのです。
■iNIP取得が信頼性の証として非常に役立っているということですね?
現在当社では3人がiNIPを保持しており、残りの2人の社員にもぜひとらせようと思っています。iNIPを持っていることによってお客様も非常に信用してくれます。iNIPの称号を取得したことは仕事を受注する上で非常に有利に働いていると思っています。
ついに有名ホテルの施工を受注
■iNIP認定取得後あらたなビジネスチャンスが得られた具体的な例をお聞かせください。
ある有名ホテルからも話が来ています。ここは昔、防火区画にからんでLANの敷設を一部断念したという経緯がありました。通常はいくら営業をかけてもとれるような案件ではありませんが、私たちはもともと電気工事業者なので消防法や建築基準法に詳しく、さらにネットワーク施工もiNIP取得で信頼があり詳しいということで、受注できました。
■受注する仕事の規模が大きくなっていますね。
そうですね。3年位前からホテル客室のノウハウは着実に蓄積してきたと言えます。
■今後お仕事でどのようなことに挑戦してゆきたいかお聞かせください。
ネットワーク施工からサーバーの構築まですべてのことに挑戦していきたいと思っていますが、電気工事業者にむいている分野がまだまだ残されていると思っています。
■具体的にはどういったことでしょうか?
例えば、UPSを入れた無停電装置を含めたネットワークの提案などが考えられます。阪神大震災の時に災害対策がとられていたはずの神戸市役所で機能停止という事態がありました。そこで、例えばサーバールームごと無停電装置の提案をしたり、バッテリーだけでなく、手元に燃料さえあればずっと電力を供給できる発電装置を使ったりとか、そういった発想は役所だけでなく、大手企業など社会的影響力の大きい分野でも重要だと思います。
■災害対策への関心は非常に高くなってきていますし、規模も大きくなりますね。
通信工事なら通信工事だけというこれまでの考え方では仕事の広がりがなくなると思います。電気工事業者のとりえは、建築の知識があり、建築物の外観からでもおおよそのことが判断できることです。それをふまえてどこにでも線を通すことができるので、組合の仲間などとも協力しながら仕事をどんどん広げていけたらと思います。
ワンストップインストレーションを実践!
■これまでお伺いしたお仕事の成功例で、お客様の望みと自分たちの何がマッチしていたのだと思われますか?
ネットワークに関連する様々な依頼窓口がひとつになるということが、喜ばれた要因だと思います。つまり電話、電気、ネットワークすべてに答えてくれるような便利さですね。
■それはまさにiNIPの提唱するワンストップインストレーションですね。
そのとおりです。
■電気工事業者のかたがネットワーク設定にしり込みする原因はなんだと思いますか?
パソコンをいじる習慣がないだけのことだと思います。ちょっとしたきっかけと、あとは実際にやるかやらないかだけだと思います。
■最後にiNIP取得者、または今後iNIPを受けようと思うかたへメッセージをお願いします。
自分の専門分野だけでなく色々な部分でこれまでの知識を生かしながら、「難しいから」とか「大変だから」というのをのりこえてやっていけばなんとかなると思います。「自分は電気工事だから」とか「通信工事だから」という既成の枠をのりこえて、継続的な学習を行うと必ず先になって役立つときが来ます。とにかく、はじめからあきらめてしまわないということが肝心だと思います。一緒にがんばりましょう。